介護福祉士制度の見直しの背景

社会福祉士養成課程及び介護福祉士養成課程において、新しい教育カリキュラムがはじまりました。

介護福祉士に関して、最も大きな変化は、今まで国家試験を受ける必要がなかった、3年以上の介護福祉士の指定養成施設卒業者も、受験しなくてはならなくなったことです。

その背景には、世界に類を見ないスピードで進んでいる超高齢化問題があります。

日本においては、最も人口の多い「団塊の世代」が2015年に65歳以上に達します。
さらに10年後の2025年には75歳以上の後期高齢者数が2,000万人を超える、という見込みがなされています。

現状、現役世代3人で高齢者1人を養っていますが、これから急速に高齢化すると、2023年には2人で1人、2040年には1.5人で1人とまでいわれているのです。

一方で少子化も進み、家族の構成人数が減少し、家庭での介護は困難になっています。すでに高齢者が高齢者の介護をするという状態は、今後ますます多くなると考えられます。

認知症の者や医療ニーズの高い重度の者も増加し、介護の内容にも多様化・高度化が求められています。こうした介護ニーズに的確に対応できる質の高い人材を、安定して確保することが急務となっているのです。

これらの背景を受け、厚生労働省では、平成19年に社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律を成立させ、法律改正と併せて、社会福祉士養成課程及び介護福祉士養成課程における教育カリキュラム等を見直しを行いました。

今はちょうど過渡期にあたり、混乱も多いので、社会福祉士を目指す方は、試験内容や受験方法を含め早めにチェックしておくことが大切です。